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1週間のテクノロジー業界の動きをおさらいする「ニュースまとめ」。今週は、テスラの株価が急落する中、電気自動車の新勢力が登場し、ファーウェイは独自OSを来年投入すると明らかにし、2ヶ月で200兆円を調達したインドの大富豪は今度はデジタル小売で9000億円を調達する計画を立てている
Nikola(ニコラ)とGeneral Motors(GM)は米国時間9月8日、戦略的パートナーシップを発表した。提携を通じGMはNikolaの株式11%を20億ドルで取得し、ニコラの燃料電池ピックアップトラックを2022年末までに生産する。
取引に基づき、ゼネラルモーターズは、現物支給サービスの一環として、電池式電気自動車と燃料電池式電気自動車の両方に対応したNikola Badgerのエンジニアリング、検証、ホモロゲーション、製造を行う。
ニコラは、10年間でバッテリーとパワートレインのコストを40億ドル以上、エンジニアリングと検証のコストを10億ドル以上削減できるとしている。
General Motors、クラス7/8トラック用燃料電池の独占供給元をニコラに決定した。
ゼネラルモーターズのバッテリー開発は現在進行中。同社のアルティウム電池技術ロードマップには、シリコンアノードとリチウム金属アノードが含まれており、これらのアノードは、車の航続距離、手頃な価格、希少金属や高価な金属への依存度の低減を向上させるとされている。すでに耐久性とエネルギー密度の大幅な向上が実証されている。
また、先週、GMはホンダと北米での戦略的アライアンスに向けて覚書を締結した。アライアンスは北米でそれぞれのブランドで販売される車両向けの、研究開発、共同購買、及びコネクテッドサービスなどの領域で協業の可能性を検討するもの。ここには研究開発での協業も含まれており、4月に両者が合意した、アルティウムバッテリーを搭載したGMのグローバルEVプラットフォームをベースに、Honda向けの新型電気自動車(EV)二車種を共同開発する内容を含んでいる。
さらに今週、GMは、新しいアルティウムバッテリーを使用する車両にワイヤレスバッテリー管理システムを使用する最初の自動車メーカーになる計画であると報じられている。
ワイヤレス・バッテリー管理システム(EV用語ではwBMS)は、アナログ・デバイセズ社(Analog Devices)によって開発されているが、その利点は、柔軟性と拡張性にある。GMは、毎回新しい配線や通信システムを考案するのではなく、パフォーマンスカーから大型トラックまで、多くの異なるタイプの車両に共通のバッテリーコンポーネントを使用したシステムを導入することができることだ。また、GMの新しいVehicle Intelligence Platformを介して無線でアップデートを行うことができるようになる。
テスラの株価にばかり注目が行きがちだったが、既存自動車会社もまた研究開発で追いすがっていることが明らかになった。
米国
アマゾン、大規模監視システムを主導した元国家安全保障局(NSA)長官のキース・アレクサンダーを取締役に迎える。
ソフトバンクグループ(SBG)がデリバティブ(金融派生商品)への積極的な投資で約40億ドルの含み益を抱えていると英フィナンシャルタイムズが報道。
アナリストが2018年第2四半期以来初めて四半期ごとのS&P500株のEPS推定値を引き上げ。
LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが、2019年に決めたティファニーの買収を断念。ティファニーは意図的に買収を遅らせたとしてLVMHを訴えた。
ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイは、クラウドデータ・プラットフォームが公開された際に、スノーフレークに約5億7000万ドルを投資する計画。
サムスンがファーウェイへのチップ販売を断念。トランプ政権がファーウェイへの制裁を強化を受けた。
サムスンとクアルコムは、格安スマートフォン用の5Gチップセットの製造のための契約を締結。
AMD、次期CPU「Zen 3」を10月8日、GPU「RDNA 2」を10月28日に発表すると予告。
YandexとUber、1億5000万ドル出資で自動運転ベンチャーをスピンアウト。新会社はYandexが73%、Uberが19%、残りはYandexの経営者と従業員が所有。
AppleがEpic Gamesを反訴。契約違反だとして責任を追及。
中国
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Huawei Consumer Business Groupのリチャード・ユーCEOはHarmonyOS採用のスマートフォンの投入は2021年と明らかにした。
アリババ傘下のライブコマース「淘宝直播(タオバオライブ)」が、2020年GMV(流通取引総額)の目標を5000億元(約7兆8000億円)に設定。抖音と快手のGMV目標の2倍の水準。
5日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版によると、中国は再利用可能なシャトル型宇宙船の打ち上げに成功。
中国の半導体受託製造(ファウンドリ)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)に対してアメリカ政府が制裁を検討しているとの報道を受けて、9月5日、同社は緊急の声明を発表した。
日本
"Managed to get SUICA working on my iPhone7. iPhone7で新規スイカを作るなら使えるようになった。" by Danny Choo is licensed under CC BY-NC-SA 2.0
JR東日本は9月9日、スマートフォン向けサービス「モバイルSuica」の会員数が、8日付けで1000万人を突破したと発表した。
ソニーは9月8日、FeliCa向け新型ICチップを開発したと発表した。クラウドサービスと連携できる機能を搭載する。ICチップやICカードの量産は11月ごろに始める予定。
手術ロボでリードするダビンチを、川重・スタートアップが猛追。
任天堂がスイッチ生産台数さらに引き上げ、最大約3000万台に。
NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を使った銀行口座の不正利用が起きている問題で、ドコモは9日、新たにイオン銀行や池田泉州銀など14の銀行で口座の新規登録を停止したと発表した。
インド
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リライアンス・インダストリーズ(RI)は、小売事業の持ち株会社であるReliance Retail Venturesの15%の株式をプライベートエクイティ投資家やソブリンウェルスファンドに売却することで、6000億〜6300億ルピー(約8670億円〜約9100億円)を調達しようとしている。
現地調査会社Counterpoint Researchによると「多くの人がエントリーレベルのスマートフォンにシフトしていくことが予想されるが、価格はフィーチャーフォンのように15~40ドル台に近づける必要がある」
ホテルチェーンOYOは、従業員の一時帰休期間を2021年2月までさらに6ヶ月延長することを決定した。同社はまた、従業員に任意離職プログラム(VSP)を提供した。
EdtechユニコーンのBYJU'Sは、米国に拠点を置くプライベート・エクイティ投資家のSilver Lakeが主導する新たな資金調達ラウンドで5億ドルの資金調達を行った。BYJU'Sの企業価値は108億ドル。
いい週末を。