中国ファウンドリーHSMCが破綻寸前の状態にあると同社元CEOであるShang-yi Chiangが明らかにした、とEE Timesが報じた。同社は、このプロジェクトに対して2900万ドル(約31億円)出資した武漢市の東西湖区政府の管理下に置かれることになる。
一説では、このプロジェクトの投資額は、約1280億人民元(約187億ドル)に上るとされている。中国メディアは、65万平方メートルの敷地に中国初の7ナノメートル(nm)チップ製造工場を建設する予定だったHSMCプロジェクトの建設が12月から足踏み状態になっている、と報じていた。9月上旬、地元紙がプロジェクトの請負業者の話として、労働者が賃金を受け取っていないために工事が中断されたと報告していた。
HSMCは台湾からの人材の引き抜きには膨大な資金を使ってきた。ある匿名の情報筋が日経に語ったところによると、HSMCは「TSMCの総年俸とボーナスの2倍から2.5倍にもなる高額なパッケージ」を提供しているとされた。
HSMCは資金の出処が判然としない。中国の企業情報プラットフォームによると、同社は政府系企業が10%、北京の民間企業が90%を所有していることになっているが、この民間企業は半導体事業に精通しておらず、同社が主張したほど多くの資金を受け取っていない可能性がある。
また、HSMCに先立ち、8月、DRAM等を製造するTsinghua Unigroupもまた13億元(1億9796万ドル)の債券の債務不履行に陥っていた。
中国は集積回路(IC)技術で遅れをとっており、自給自足には程遠いが、顕著な進歩を遂げてきた。最近になって、中国のファウンドリーが7nmのR&Dで14nmのFinFET市場に参入し、メモリにも進出している。半導体前工程ファブ装置分野では、独自に極端紫外線リソグラフィ(EUVL)を開発している。
中国が国内のIC産業を発展させているのには、いくつか理由がある。まず、中国はチップの大半を海外のサプライヤーから輸入しており、貿易赤字が大きくなっている。これに対応するために、中国はIC部門に数十億ドルを投じ、自社チップの製造量を増やす計画を立てている。外国のサプライヤーへの依存度を下げたいということだ。
米国が対中貿易戦争を開始したことで、中国はこうした取り組みを加速させた。一例を挙げれば、米国はファーウェイが米国製のチップやソフトウェアを入手するのを難しくしている。今春、ASMLが中国最大のファウンドリーベンダーであるSMICにEUVスキャナーを出荷するのを停止した。中国は、これらの行為を自国の成長を阻害するものと捉え、自社技術の開発を加速させている。
一方、米国は、中国が不公正な貿易慣行に従事し、米国の知的財産を不当に利用している(ときには盗んでいる)と主張している。中国はこれらの主張を否定している。
中国にはファウンドリが他にもたくさんある。SMIC、Yangtze Memory Technologies (YMTC)、ChangXin Memory Technology (CXMT) などの企業が半導体製造のための技術革新に努力している。多数の公的ファンドの資金を受けた旗艦SMICがどれほどの速度でTSMCやサムスン電子に追いつけるか注視すべきだ。
米国
SalesforceがSlack買収交渉
Salesforceは、ビジネスチャットツールを手掛けるSlackの買収を交渉しているとウォール・ストリート・ジャーナルが奉じた。両社は交渉しており、来週にも取引を発表する可能性がある(別ニュースレターで特集)。
Amazon Web Servicesは米国時間25日、大規模なデータの流れを処理するサービス「Kinesis」に問題が発生した。障害の結果、問題が報告されたサービスの中には、Ring、Roku、Autodesk、Affirm、Shipt、ニューヨーク市交通局などが含まれる。
テスラは、ルーフトリムとボルトの締め付けが不十分である可能性のある欠陥があるとして、9,500台以上の電気自動車「モデルX」と「モデルY」をリコール。
ビットコインが25日の取引で、2017年以来初めて1万9000ドルを突破。しかし、26日21時までに3000ドル下落し、16000ドル台で推移。
サムスンは次世代チップ事業に1160億ドルを投資し、TSMCを追い抜く目標を掲げている、とブルームバーグが報じた。ファウンドリ部門の上級幹部は、同社が2022年に3ナノメートルチップを量産すると、先月の招待制イベントで出席者に語っていた。
Snapは24日、Snapchatの新しい機能「Spotlight」を発表した。このセクションでは、TikTokに酷似した縦型動画コンテンツを公開する。
Autodeskは、都市開発向けのAIベースソフトウェアを開発してきたノルウェーのスタートアップSpacemakerを2億4000万ドルで買収した。同社はAIを利用したソフトウェアを開発および販売し、建築家、都市計画者、不動産開発者がより多くの情報に基づいた設計上の決定を行えるよう支援している。
英国の通信事業者は、新法の下でHuawei製品を使用した場合、収益の10%の罰金を科される可能性が浮上した。提案されている電気通信セキュリティ法案は、英国の5Gおよびフルファイバーネットワークのセキュリティを向上させることを目的としている。
英国の独立系アドテク企業とメディアの連合体は23日、Googleが来年初めに予定するウェブトラッキングを難しくする施策の展開を遅らせるよう、英競争監視機関に対し、訴えた。
中国
JD系2社が上場へ
JDドットコム(京東)のロジスティック部門は、新規株式公開(IPO)を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。実現した場合、少なくとも50億ドル(約5230億円)を調達する可能性があるという。
中国の電子商取引大手JDドットコム(京東)のヘルスケア部門、JDヘルス・インターナショナル(京東健康)は、香港で最大35億米ドル(約3660億円)規模のIPOを目指している。実現すればヘルスケア企業の上場としてはアジアで過去最大規模。
中国のメディア規制当局は、過熱するライブストリーミングのホストとギフトの贈り主が実名を登録する規則を設定した。さらにティーンエイジャーによるギフトと投げ銭を完全に禁止した。
台湾/東南アジア
TSMC、新3nmファブの竣工式
TSMCは、南部科学工業園区の製造拠点で新3nmファブの竣工式を行った。2022年後半の商業生産開始に向けた道筋をつけた。
TSMCは、中国の現地顧客からの需要の増加に対応するため、南京の12インチ工場に新設備を建設することを決定した、と中央通訊社が報じた。同ファブは、12nmおよび16nm FinFETプロセス技術を用いたチップの製造に従事している。
中国のバッテリーメーカーCATLは、インドネシアに電気自動車用バッテリーの製造工場を建設するために51億ドルを投資することを決定したと、同国の投資調整庁長官が明らかにした。
インド
印政府、43アプリの禁止を追加
インド政府は、ここ数ヶ月で隣国へのリンクを持つ175以上のアプリを禁止しているが、24日に43アプリの禁止を追加したと述べた。AlibabaのAliExpressを含んでいる。
インド競争委員会(CCI)は金曜日、国内2大小売企業であるFuture GroupとReliance Retailの間の34億ドルの取引を承認したと発表し、シンガポール国際中センターなどを利用したAmazonの異議を退けた。
オンライン学習プラットフォームUnacademyは、Tiger Global ManagementとDragoneer Investment Groupから7500万ドル〜1億ドル(推定)を調達し、企業価値は20億ドルに到達した。
オンライン中古車市場であるCars24は、既存の投資家であるDSTグローバルが主導するシリーズEの資金調達で2億ドルを確保し、資金調達後の企業価値は10億ドル強となり、ユニコーンとなった。同社の企業価値は、1億ドルを調達した昨年10月の5億ドルから急上昇した。
ベンチャーキャピタルのセコイア社のアクセラレーター「サージ」は、第4バッチとして12社のインド企業、5社の東南アジア企業を選択した。バッチの企業の半分はSaaS(Software-as-a-Service)。
日本
LINEは11月25日、日本語に特化した汎用(はんよう)言語モデルを開発すると発表した。新聞記事や小説などのさまざまな言語データを100億ページ分学習させ、対話や文章生成などができるAIを作るという。
政府がビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」による国会議員とのやりとりを解禁したことが26日、分かった。デジタル改革の中核となる内閣官房情報通信技術総合戦略室と内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が連名で25日付で各省庁に通知した。