ニュースまとめ 10月5週

コロナ禍は「GAFAM」を繁栄させている

Photo: Tim Cook kicks off the September 2020 event from Apple Park. via Apple

今週は、ビッグテック企業(いわゆるGAFAM)の決算が集中した。Amazon, Alphabet, Facebookは過去最高益を更新し、新型コロナウイルス禍の中で好業績が際立った。Microsoftも好業績を享受している。Appleは減益だった。

Microsoftは2021年度第1四半期の決算を報告し、収益は12%増の372億ドル、純利益は139億ドル、1株当たり利益は1.82ドルとなった。同社の3つの事業グループすべてが前年同期比で成長した。アナリストの予想を上回る結果は、同社の業績がパンデミックの影響でブーストされていることを示唆した。

Amazonの第3四半期の収益は、2019年第3四半期の700億ドルと比較して37%増の961億ドル。純利益は、2019年第3四半期の純利益が21億ドルだったのに対し、63億ドルに増加した。電子商取引の需要増は継続している。Amazonは、第3四半期の間に米国とカナダのAmazon Air、物流、フルフィルメントセンターなどで、新たに10万人の季節的な雇用を創出したと説明している。

コロナ禍の影響が強いとされた広告事業に依存するGoogleとFacebookもまた、ウォール街の予想を上回る増収増益の好決算だった。

Googleの親会社Alphabetの第3四半期の収益は462億ドル(前年同期比14%増)。検索とYouTubeでの広告主の支出の増加がみられ、Google CloudとPlayの継続的な強化によって、堅調な成長が見られた。Alphabetは第1四半期には、デジタル広告市場の低迷のため、悲観的な業績予想をしていると報じられていたが、Q3ではそのような影響は全く見られなくなった。

Souce: Google Q3 Press Release

Facebookの第3四半期の収益は212億ドル(前年同期比22%)。Facebookのインターネット製品の月間アクティブユーザー数(MAU)は2020年9月30日現在、27.4億人で、前年同期比12%増だった。同社は、クラウドやアプリストア、サブスクリプションサービス、ハードウェア販売を持つグーグルとは異なり、収益の殆どを広告事業に依存するが、今期はコロナの影響はなく、堅調な成長をみせている。

Souce: Facebook Q3 Press Release

Appleの2020年度第4四半期では、収益は647億ドル(前年同期比1%増)、純利益は126億ドル(前年同期比7.4%減)と減益だった。第4四半期の売上高のうち、海外収益が59%を占めた。ハードウェアを販売するAppleにはコロナ禍は逆境だったのかもしれない。CFOは「厳しいマクロ環境にもかかわらず、収益、1株当たり利益、フリーキャッシュフローの過去最高記録を樹立した」と説明している。

コロナ禍の株式取引所ではGAFAMの株式パフォーマンスが他を圧倒し、時価総額の合計がTOPIX企業群を超えているが、この上位数社に富が集中する傾向は、パンデミックによってむしろ加速した。一部のスーパースター企業に市場の果実が凝集する傾向が指摘されているが、特にテクノロジー業界では、その傾向が色濃い。

ビッグテック企業の社会的な意義はますます問われることになりそうだ。司法省がGoogleを提訴し、FTCがFacebookのキラー買収(Killer Aquisition)に関する立件を目論んでいる。他のプレイヤーにも規制当局の圧力が向けられる可能性があるかもしれない。

米国/ グローバル

AMDのXlinx買収が合意、NVIDIAとのデータセンター競争を見込む

AMDは米国時間10月27日、Xilinx(ザイリンクス)を350億ドル(約3兆6600億円)で買収することで同社と合意したと発表した。「AMDと手を組むことにより、当社のデータセンター事業の成長が加速し、われわれはより多くの市場でより幅広い顧客層をターゲットにできるようになる」と、Xilinxのプレジデント兼CEOを務めるVictor Peng氏は述べた。

Facebookは無料のクラウドゲームサービスを発表した。このサービスは、Facebook Gamingの一部であり、現在、限られた人々のみを対象としたベータテスト中。メッセージングサービスやニュースフィードを介して人々がプレイできるインスタントゲームに加え、Facebookがゲームビジネスに深く関与することになる。

マイクロソフトは2021年度第1四半期の収益を報告し、収益は12%増の372億ドル、純利益は139億ドル、1株当たり利益は1.82ドルとなった。同社の3つの事業グループすべてが前年同期比で成長した。アナリストの予想を上回る結果は、同社の業績がパンデミックの影響でブーストされていることを示唆した。

ビットコインが28日、1万3852ドルを上回った。約3年前のピーク到達の数週間後に付けた水準に戻った。ビットコインは17年12月に2万ドル近くでピークを付けた後反落。今月は約30%上昇し、下落局面の初期段階だった18年1月以降見られない水準に達した。

TikTokとShopifyは提携し、Shopifyのマーチャントが人気のエンターテイメントプラットフォームで若い層にリーチできるようにした。この提携により、Shopifyのマーチャントは、TikTokチャンネルアプリを使用してShopifyのダッシュボード内でTikTokのマーケティングキャンペーンを実行することができる。

英国のUberの運転手を代表する労働組合が、Uberを相手取って2度目の提訴を行った。今回の提訴、Uberの「ロボットによる解雇」行為が、自動化された意思決定から個人を保護することを求めるEU一般データ保護規則(GDPR)の第22条に違反していると主張している。

世論調査を集計するファイブサーティーエイトの予測モデルは、バイデン氏が選挙人獲得数で勝利する確率を27日時点で88%と算出した。しかし郵便投票の多さや、不正が起こり得るとトランプ氏が根拠のない主張を繰り返していることなどを考えると、接戦の結果がすんなりとは認められず法的闘争にもつれる可能性はある。

南カルフォルニア大学の研究者が2億4000万件以上の選挙関連のツイートを調べたところ、数千の自動化されたボットがQAnonのような右寄りの政治的陰謀を宣伝しており、ぼっと稼働状況は2016年よりも活発なことがわかった。

韓国サムスン電子の7-9月(第3四半期)決算は予想を上回る52%増益となった。携帯電話の出荷急増や、中国の華為技術(ファーウェイ)が米国の制裁発動前に半導体を備蓄したことが寄与した。純利益は9兆2700億ウォン(約8520億円)と、市場予想の平均7兆5400億ウォンを上回った。

China

アントグループ、世界最大規模のIPOへ

金融サービス企業「アントグループ(螞蟻集団)」は、約345億ドル(約3兆6000億円)を調達することになり、2019年12月に上場したサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」の290億ドル(約3兆円)を抜き、世界最大規模のIPOとなる見通し

共同購入型ソーシャルEC大手の「拼多多(Pinduoduo)」とインドネシア政府が共同でオンラインアンテナショップを開設。インドネシア共和国の上海総領事Deny W. Kurnia氏が登場したライブコマースは45万人が視聴し、10万個以上の商品を売り上げた。

ロイター通信によると、イスラエル船社「ジム・インテグレーテッド・シッピング・サービシス(ZIM)」が10月19日、アリババグループと戦略的パートナーシップ協定を締結し、アリババで商品を販売する企業に対し、海運および関連サービスの提供開始を発表した。

ByteDanceがバイラル動画共有ユニットDouyinの香港での上場を検討しており、この件に詳しい関係者によると、ゴールドマン・サックスを含む投資家が引き受けの問題についてByteDanceと連絡を取っていると36Krが報じた。早ければ今年7月には、ByteDanceはスターマーケットまたは香港証券取引所でのIPOを検討していると報じられていた。

中国のいくつかのモバイルインターネットブラウザは火曜日に自己検査と修正通知を発行し、今から11月9日まで既存のネットワークの問題を修正します。

中国最大級の教育テック企業、新东方教育科技集团(New Oriental Education & Technology Group)は、10月28日、香港での公募増資を開始することを発表し、香港現地時間の2020年10月29日午前9時から商業を開始する851万株のグローバル公募増資を開始した。

日本

ソニーがPS5に「著しい需要」で業績予想を上方修正

SIE社長兼CEOのJim Ryanによると,米国でのPlayStation 5の予約販売台数は,発売から12時間以内にPlayStation 4の予約販売台数と同数に達したとのことだ(別ニュースレターで特集)。

ソニーは28日、今期(2021年3月期)の連結営業利益予想(従来予想6200億円)を前期比17%減の7000億円に上方修正した。市場予想6589億円を上回った。ゲームや音楽など半導体を除くすべての部門の営業益予想を増額した。

日経新聞によると、華為技術(ファーウェイ)向けの半導体製品の供給を巡り、ソニーが取引再開の許可を29日までに取得した。ソニーはスマートフォン向けの画像センサーを供給していたが、規制の発動を受け9月15日に出荷を停止した。ただ、ファーウェイのスマホ生産に必要な部品全てで許可は出ておらず、ソニーの取引量が戻るかは見通せない。

日本銀行は29日の金融政策決定会合で、新型コロナウイルス感染症への対応を含む現行金融政策の維持を決めた。新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2020年度の経済成長率と消費者物価の見通しを下方修正した。

インド

アマゾンがリライアンスへの策略のため第三国シンガポールの国際機関を活用

国内最大の小売企業であるリライアンス・リテールが競合の小売企業フューチャー・グループの買収を発表した件で、フューチャーとの協業関係があったアマゾンはシンガポール国際仲裁センターに買収の停止を訴えていたが、国際仲裁センターはリライアンスとフューチャーから事情聴取をするまで、両者の取引は停止されるべきだとの判断を下した。第三国であるシンガポールでの紛争解決プロセスは、アマゾンに利する結果となっている。

インドのET Nowは、Facebookのインド担当政策チーフであるAnkhi Dasが、活動家からの圧力が数ヶ月間エスカレートした後に辞任したと報じている。Facebookインドは、暴力に責任を負うヒンドゥー民族主義者のグループのヘイトスピーチに対して行動を取るのが遅かったことが非難されていた。Ankhi Dasはヒンドゥー教徒。

デジタル決済基盤「UPI」の開発に成功したインド決済公社(NPCI)は、アジア諸国にリテール決済の鉄道を建設するための輸出機会を検討している。NPCIの最近設立された子会社NPCI International (NIPL)とカンザス州を拠点とするフィンテック企業Euronetは共同でミャンマー中央銀行(CBM)に、南アジア諸国が提案しているリアルタイム小売決済システムを構築するための入札に参加している。

今週のポッドキャスト

37. デジタル人民元に脅かされるアントグループ

アントグループは今後デジタル人民元によって陣地を失っていくかもしれず、今がビジネスが最高潮の時期である可能性は小さくない。この非常に大きなリスクを前に、この上場には (1) 既存投資家の流動性の確保 (2) 公開市場を利用した資金調達 (3) 3000億ドルの公開企業になり中央政府にアピール、などの思惑が秘められている可能性があるだろう。政府に市場を取り上げられる前に上場する強硬策なのかもしれない。

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